Rosenberg

Shawn W. Rosenberg (2007) "Introduction: Theoretical Perspectives and Empirical Research on Deliberative Democracy," in Rosenberg ed., Can the People Govern?: Deliberation, Participation and Democracy, Palgrave.

Deliberation, Participation and Democracy: Can the People Govern?

Deliberation, Participation and Democracy: Can the People Govern?

ハーバーマスを典型とする大陸ヨーロッパ型の熟議民主主義論とアングロサクソン系の熟議民主主義論との理論的相違を指摘。要は、自律的な個人をあらかじめ想定しているか(アングロサクソン)、構成されるものと捉えるか(大陸ヨーロッパ)ということなのだが、まあその辺の問題は実はあるだろうな、でもアングロサクソンといってもハーバーマス主義者も多くいるしな……などと思っていた論点ではある。
 同じ本の中の、Mark Warren "Instituonalizing Deliberative Democracy"も読んでる途中。
 前にも書いたような気がするけど、この論文集は様々なタイプの経験的研究に規範理論研究者がコメントするという形をとっていて、「経験的転回」後の熟議民主主義研究におけるとても重要な本であるように思われる。
 が、自分の状態は、Warren論文を読んでいて、少し「ピン」ときた感じもするのだが、さりとてそれがあまり展望があるようにも思われず…というような次第。