論文「『家族とジェンダー』と政治学」の刊行

 名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリが刊行する雑誌『GRL Studies』の最新号(Vol. 3)が刊行され、その中に、拙稿「『家族とジェンダー』と政治学」は掲載されています。
 拙稿は、「家族とジェンダー」というテーマを政治学がどのように扱っているのか/扱うことができるのかを考察するものです。そのために、「家族とジェンダー」に関する日本の政治学研究の代表的なものとして、辻由希さん(福祉政治論)、武田宏子さん(統治性論)、岡野八代さん(ケア・依存関係論)の研究を取り上げ、批判的に検討しました。
 拙稿は、下記からダウンロードすることができます。
田村 哲樹 (Tetsuki Tamura) - 「家族とジェンダー」と政治学 - 論文 - researchmap

〔下記の「訂正」についてですが、オンライン版では修正対応しました。現在は、上記のURLから訂正されたバージョンのものを見ることができます。〕
 なお、早速ですが訂正があります。84頁18行目、岡野さんの『フェミニズムの政治学』(みすず書房、2012年)からの引用箇所です。

【現在】「家族を中止すること」→【訂正】「家族を注視すること」

 岡野さんには、この場を借りてお詫び申し上げます。

『熟議民主主義の困難』が増刷となりました

 長らく品切れ状態になっていた拙著『熟議民主主義の困難――その乗り越え方の政治理論的考察』(ナカニシヤ出版、2017年5月刊行)が、このたび増刷となりました。増刷にあたって、気づいた限りでの誤字・脱字等を訂正しました。
 『熟議民主主義の困難』は、古書としてもかなりの価格のものしか出回っていない状態になっていました。また、著者としても、なかなか手に取っていただけない状態にあることを残念に思っていました。でも、これでまた手に取っていただきやすくなります。
 もう少ししたら、書店に出回ると思います。よろしくお願いします。

 

大学院受験を希望する方へ

 名古屋大学大学院法学研究科の入試の募集要項は、2021年7月ごろに公表される予定です。もし私の指導の下で大学院で研究したいという方がいれば、できるだけ事前にご相談いただければと思います。もちろん、「相談」は必須ではありませんし、合否は入学試験の結果で決まります(「相談」が何かを保証するわけではありません)。
 私の下で研究する場合の専攻は「政治学」となりますが、特に下記のような分野・テーマの方には、(副指導教員の体制も含めて)より適合的だと思います。ただし、もちろんこれらに限られるわけではありません。

・現代民主主義理論:熟議民主主義、闘技民主主義、ラディカル・デモクラシー論など
・「日常生活」、「私的領域」などの政治学的/政治理論的考察
・「政治とは何か?」に関わる問題
・政治学におけるジェンダー/フェミニズム研究
・政治と教育、あるいは「教育政治学」(シティズンシップ教育、政治教育などを含む)
・福祉国家研究(ベーシック・インカムなどを含む)


 ちなみに、現在在籍中の大学院生の研究テーマには、以下のようなものがあります(検討中のものもあります。また、後期課程と前期課程の両方を含みます)。
・1980年代における「政治改革」の再検討
・日本の家族・労働政策をめぐる国家レベルと日常生活レベルの政治
・「シティズンシップ教育」の批判的再検討
・「文化とジェンダー」の政治理論的考察
・「ネオリベラリズム」とフェミニズム
・フェミニスト制度論
・発達障害と民主主義理論
・「少数者」の観点からの代表制の再検討
・「ゲーム」の熟議民主主義的意義

 相談を希望される方は、下記の連絡先までお問い合わせください。[at]は、@に変換してください。
 【連絡先:田村哲樹 tamura[at]law.nagoya-u.ac.jp】

第32回東海地区政治思想研究会のご案内

 下記の要領で、第32回東海地区政治思想研究会を開催します。オンラインでの開催です。

〇日時:2021年6月19日(土)14時~17時15分(オンラインでの実施)
〇報告:
 (1)山田陽(神奈川大学他非常勤講師)「熟議民主主義の代表制とは何か」
 (2)牧野正義(九州大学比較社会文化研究院特別研究者)「討議理論とシティズンシップ(仮)」

※参加を希望される方は、開催の1週間前(6月12日)までに、下記までご連絡ください。その後、zoomのID、パスワード等をご案内いたします。
・連絡先:長谷川一年 kazuhase617[at]yahoo.co.jp

【運営委員(50音順)】大園誠(名古屋大学/同志社大学)、大竹弘二(南山大学)、田村哲樹(名古屋大学)、長谷川一年(同志社大学)

第25回社会政治研究会のご案内

 下記のように、第25回社会政治研究会(Social Politics Forum)(オンライン)を開催します。関心がある方は、どなたでもご参加いただけます。


日時 2021年5月28日(金)17:30~19:40

会場 Zoomによるオンライン開催(*)

《第一報告》
鎮目真人(立命館大学)
「年金制度における不人気改革の制度分析」
(参考)https://www.minervashobo.co.jp/book/b548711.html


《第二報告》
副田義恵(法務省)
「女子受刑者の社会的排除/包摂――女子刑務所の就労支援に着目して」


〇前日までにお名前と所属を明記のうえお申込下さい(kamimura[at]nagoya-u.jp)。ZoomのミーティングIDとパスワードをお知らせします。


【運営委員】
大岡頼光(中京大学)/上村泰裕(名古屋大学)/田村哲樹(名古屋大学)/山岸敬和(南山大学)

頂きもの

編者大矢根聡先生から、『戦後日本外交からみる国際関係――歴史と理論をつなぐ視座』(ミネルヴァ書房、2021年)を頂きました。どうもありがとうございます。それにしても、ここ数年でどれだけの編著を出されているのかと驚きます。

戦後日本外交からみる国際関係:歴史と理論をつなぐ視座

戦後日本外交からみる国際関係:歴史と理論をつなぐ視座

  • 発売日: 2021/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

頂きもの

寄稿者の大園誠さんと林葉子さんから、出原政雄・望月詩史編『「戦後民主主義」の歴史的研究』(法律文化社、2021年)を頂いておりました。どうもありがとうございます。大園さんは「『戦後民主主義』と丸山眞男」を、林さんは「買売春問題と戦後日本の民主主義――売春防止法制定をめぐる国会と地方議会での議論を中心に」を、それぞれ寄稿されています。