新年の抱負もとい予定

 2017年になりました。ゼロ年代が僕の中ではまだ「ついこの前」なのですが、2010年代も終わりに近づいています。そして、自分の40台も終わりに近づいています(まだ半分ありますが)。
 4月になると、この二年間務めた学内の行政職が終わり、そちらの面では少し余裕が出るはずです。そのせいにするつもりはないのですが、気がつくと2016年の刊行物は、宮本・山口編『リアル・デモクラシー』(岩波書店)掲載の論文と、2015年12月のミニ・パブリックス研究フォーラムでの基調講演を原稿化したものだけになってしまっていました。やむを得ないと思いつつも「これではいけない」ということもあって、抱負というほどのことではありませんが、研究に関する今年の予定をいくつか記しておきます。


1)単著の刊行
 小出しにしておりますが、そう遠くないうちに単著が刊行されます。タイトルは、『熟議民主主義の困難』というメイン・タイトルだけ決まっています。しかし、「困難」だけを言いたいわけではないので、そのことを示すようなサブ・タイトルがつく予定です。内容は、2008年以降に発表した熟議民主主義関係の論文をまとめたものです。単に「並べた」だけではないようにするために、構成やコンセプトを考えるのにずいぶん時間がかかってしまいました。でもおかげで、「並べた」以上のものにはなったと思います。単著としては、2009年の『政治理論とフェミニズムの間』(昭和堂)以来です。


2)政治学教科書の刊行
 ここ数年取り組んできたいくつかの政治学教科書企画があります。そのうち、少なくとも一つが、春ごろに刊行されることになりました。田村哲樹・松元雅和・乙部延剛・山崎望『ここから始める政治理論』(有斐閣)です。有斐閣の「ストゥディア(studia)」シリーズの一冊として、刊行されます。このシリーズの政治学関係では、政治学、政治行動論、比較政治、行政学に続く5冊目になると思います。イメージとしては、同じ有斐閣(アルマ)の川崎修・杉田敦編『現代政治理論[新版]』とともに「政治理論」にこだわりつつ、同書よりも「やさしい」本をということなのですが、さてそうなっているでしょうか??
 そのほかに、比較的少人数で作っている教科書が2つあります。一つは年度内に脱稿の予定。もう一つも年度内に初稿がすべて揃う予定。というわけで、うまくいけば両方とも今年中に刊行される可能性があります。


3)論文集の企画
 自分がメインとなった二つの論文集づくりの企画が動きつつあります。一つは、「日常生活と政治」をテーマとしたもので、その一端は、2016年度の日本政治学会研究大会の分科会で示しました。もう一つは、ユルゲン・ハーバーマスについての論文集(共編)です。どちらも、なかなかユニークな書き手にご賛同いただき、編者さえしっかりしていれば(苦笑)、よい本になりそうです。
 それ以外にも寄稿の予定はありますが、それらはまた追々ご紹介します。


4)学会報告
 6月の日本比較政治学会研究大会(成蹊大学)の「分断社会」に関する共通論題で、報告することになっています。他の報告者は、西川賢さん(津田塾大学)と飯田健さん同志社大学)です。日本政治学会の分科会についてもいくつか動きがありますが、これはまた後程。


5)その他の仕事
 他の方が編者の本や教科書に書く仕事あるいは書評もいくつかあり(昨年からの積み残しも含め)、これらにも対応していかなければなりません。また、これも僕のせいで長くかかってしまっているのですが、数名の方とともにある翻訳に取り組んでいます。これも今年中の遅くない時期に刊行したいと思います。
 また、英語での仕事もいくつかあるのですが、まだ未確定部分もあるので、これらもまた後程。


 リストを作っただけではダメなのですが、とりあえず単著を出すことができそうなのと、いくつかの教科書にゴールが見えてきたことは、うれしいことです。それを励みに、さらに頑張っていきましょう。でも、もう確実に40代後半なので、健康には気を付けて。