時間の流れ

 いつの間にか長男が高2になり、彼の高校での部活(サッカー)も、早ければ来年の4月か5月の初頭くらいには終わってしまう可能性があるくらいになった。高校生なんて、それも部活なんてあっという間だなあ、とつい思ってしまう。部活をやっていると言っても、自分の学年が主力でやるのは実際には1年前後くらいだし、部活動全体の期間で言っても、一部の部・人を除けばたいていは高3の春か6月くらいで終わりだろうから、せいぜい2年と数か月くらいである。僕が大学院に入って研究を始めてからもう20年以上、教員として勤め始めてからでも15年以上が経っていることと比べると、なんとあっという間なのか、と思わないではない。
 でも、時々子どもたちの話を聞いていると、そんなに「あっという間」という感じでもないみたいだし、何より、自分自身を振り返ってみても、高校時代の(だけではないが)部活がそんなに「あっという間」だったという印象はない。むしろ、どちらかというと、かなり長い時間活動していたという印象の方が強い。
 部活を指導している先生にとってはどうなんだろうなということも、ふと思う。でもこれは、今ではゼミの場合と重ねて考えるとよいのかもしれない。毎年12月くらいになると、「まだ3年生だと思っていたのに、もう4年生も卒業か、あっという間だな」と思うのだけれども、多分、ゼミ生の方はそこまでの「あっという間」感は持っていないに違いない。これも、自分だって学部でのゼミをそんなに「あっという間」だったなんて思っていなかったし(5年生までやったことは措くとしても)。
 人生の体感時間は、どんどん速まっていき、そして最も速度が速くなったその瞬間にゼロになる――つまり死を迎える――ことになるのだろうか。