読書

久しぶりにベーシック・インカム関係で、原田泰『ベーシック・インカム――国家は貧困問題を解決できるか』(中公新書、2015年)を読了。

 本書の特徴として、1)BI実現のためのかなり詳細な試算を行っていること、2)「無駄に働く」(46頁)、「無理やり仕事を作る」(116頁)ことは問題であり、それよりはBI給付の方がよいこと、3)高所得者へも給付することへの疑問に課税との関係で答えていること、4)生活保護給付水準の高さに比して実際にそれを必要とするはずの受給者が少ないことを問題と見て、給付水準を下げてより広く行き渡るようにすることをBIと重ねて主張すること、などがある。