新年の目標

2016年を迎えたので、研究に関する今年の目標を少し書いておきたいと思います。
本年度来年度と学内でやや責務の重い役職を務めているため、やはり時間の確保、(時間自体は確保できても)研究に精神的関心を維持することが難しくなっています。しかし、そのせいなのかどうなのか、比較的やる気はあるような気がしています(これは幸い)。秋から年末にかけて、いくつか新しい共同研究プロジェクト案が浮かんだのも、その現われの一つだろうと、自分では思っています。
というわけで、今年の目標をいくつか書いておきたいと思います。有言「実行」の保証はないのですが、割と公言してそれを励みに頑張るタイプということで、いろいろ記します。


1)これまでからの継続のものとして、政治学の教科書執筆プロジェクトがいくつかあります。いずれも、今年中または今年度中には刊行のメドをつけたいと思っています。それぞれ共著者も想定する読者層も異なっていることもあり、難しい反面、勉強にもなっていると感じます。やはり教科書を作ると意識することで、自分の中で自分が政治学をどう考えているのかが明確になってくる/明確にせざるを得ないところがあるからです。それは、厄介である反面、自分の知識や考えが多少なりとも体系化される機会でもあります。そこが面白いところなのでしょう。


2)少しずつ準備を進めているのですが、次の単著についても今年中または今年度中に刊行までこぎつけたいと思っています。テーマは熟議民主主義関係。前の単著『政治理論とフェミニズムの間』(昭和堂、2009年)を出してから、既に7年近くが経ってしまっています。本を出して5年6年経つのなんてあっという間だなということを痛感します。だから、何とかしたいところです。


3)英語でも何か発信したいのですが、これはやや曖昧模糊としています。「目標」を書くところなのにそれではまずいのですが。。。一応、昨年中にある共著の文章を書き、共著者に回しているのですが、これがどうなるのか、現状では何とも言えないところです。それとは別に、英語での論文を準備したいところです。これももう帰国してから5年近く(!)が経っているのですが、オーストラリア国立大学で在外研究を行った時の目標が「世界の熟議民主主義研究の片隅に何とか位置を占める」というものでした。英語での発信をやらないと、それは実現できないですからね。


4)その他、論文集企画がいくつか進行中ですので、これらを進めます。寄稿者のものが3つ、(共)編者として進めるものが2つあります。どれも興味深い企画なのですが(のつもりなのですが)、まだ動き出したばかりのものも多く、さてどうなりますか(が3月には構想を提出しなければならないものも…)。これとは別に、小野耕二先生の退職記念紀要の編集も進めます。こちらは、いくつかの論文が「小野政治学」をめぐる論考となります。


5)その他、昨年中に学会報告したものを論文に出来ればと思っています。researchmapにも上げていますが、福祉社会学会で福祉社会学と(福祉)政治学との関係について、日本教育学会で「政治教育」における政治概念について、報告しました。いろいろ不十分な点があるのは承知していますが、自分としては、それなりに自分の観点を明確にしつつ、他分野(社会学、教育学)と切り結ぶことができるような議論を提起したつもりではあります。時間を作ることができれば、これらを何とか原稿化し、発表したいと思っています。


さて、このうちのいくつのものがどれだけできるのでしょうか。有言「実行」になるように、頑張ります。