論文公刊

最近立て続けですが(でもたまたまです)、このたび「『民主的家族』の探究――方法論的ナショナリズムのもう一つの超え方」『法政論集』(名古屋大学)第262号、2015年6月、15-37頁、が刊行されました。
この論文は「民主的家族democratic family」の「民主的」とはどういうことかについて、それは「リベラル」とも「平等」とも異なるし、家族から表出される意見が政府へと媒介されるという意味での民主的な政治にも還元されない、ということを論じました。この論文で言いたかったのは、「家族」も、それ自体として「国家」と同じような意味での「民主主義」が行われる政治の単位として考えることができる、ということです。このことを通じて、本稿は、政治学における「方法論的ナショナリズム」(本稿では遠藤乾さんの議論に依拠)を乗り超えるための一つの筋道を示そうとしました。