アメリカ政治学会

 アメリカ政治学会(APSA)の年次大会に参加するために、シカゴに来ています。参加するといっても、残念ながら、報告をするわけではありません。アメリカ政治学会とはどんなものか、一度は覗いておかないといけないなあという思いからの参加です。「社会勉強」ですね。
 APSAの大会は、ホテルを会場として行われるようです。今年も二つのホテルを会場とし、ものすごくたくさんのパネルが開催されています。たくさんすぎて、プログラムを完全にチェックするのも不可能と思えるほどです。
 アメリカの学会とはいえ、学会は学会ですから、受付で手続きをして(これはウェブ上で事前登録しておけば、あとはその登録通知のメールを見せれば、プログラムと名札を受け取ってすぐに終わります)、あとは、自分の興味のあるパネルの会場に行くだけです。報告時間は一人10〜15分程度の場合が多いように思います。一人か二人討論者がいて、コメントを行い、発表者からのリプライがあったり、それなしでフロアとの質疑応答になったりします。一つのパネルが1時間45分です。日本の政治学系学会では、2時間〜2時間半が標準と思いますので、少し短いですね。でも、自分の英語能力の姓か、そんなに短い感じはしません(苦笑)。
 その英語能力は、やはり問題です。パワポなしの発表(僕が今までに出たセッションでは、割とパワポも配布資料もなしのセッションが多かったです。ペーパーも意外と(?)アップされていません)になかなかついていけない自分の英語力のなさにがっかりします。まあこれは今に始まったことではないのですが。だから(?)、英語のパネルにずっと出ていて、よくわからないところ多発でも座っているのは、そこそこ平気にはなっているようです。
 しかし、こんなかんじでは今後の仕事の先が思いやられます・・・と、腐っていても仕方ないので努力しろってことですね。
 自分の研究の関係では、熟議システムdeliberative system関連のパネルが三つあり(まだ一つしか聞いていませんが)、この概念・枠組みをどう評価するのかということが熟議民主主義論の中の流れの一つになっていると実感します。この概念には問題点となり得るポイントも含まれているので、今後も含めた議論の展開が気になります。僕自身も一つ論文を書いていますが(「熟議民主主義は自由民主主義的か?」)、まだまだ考えるべきこと、取り組むべきことがあります。
 ドライゼク氏をはじめ、ANU滞在時の知り合いの何人かに再会できたのはうれしいことでした。彼女たちは、報告も行っているので、プレッシャーにもなるし励みにもなります。恐らく、英語の聞き取り能力のなさにがっかりしているよりも、きちんと書いてそれを読んでもらうことを目指すべきなのでしょう(←自分に言い聞かせています)。
 というわけで、意気消沈しつつも、よい刺激に変えようと思っているところです。