この世界の片隅で?

時が経つのは全く早いもので、オーストラリアでの在外研究から帰国してもうすぐ2年になる。
そのタイミングで、英語での結構大きな仕事の依頼が舞い込んできた。といっても論文執筆ではないのだけど、場合によっては、それ以上にハードになるかもしれない仕事だ。
だから簡単には返事をすることができず、少し留保している。何人かの方に相談もしている。
でも、自分の心は決まってきているような気もする。
2年間のANUでの滞在を十分に活かせたのかということについて、自分の中では、悔いというか反省が残っている。
でも、はっきりしているのは、2年間快く送り出してくれた同僚と、2年間快く受け入れてくれた人々がいたということだ。
少々大げさに聞こえるかもしれないけれど、僕にはきっと、その「快さ」に対して応じる責任があるように思う。英語で仕事をするということは、その責任を果たすことである。
この依頼を引き受けると、仕事が増えてしまうのは必至だ。量的な増加だけではなく、質的にもきちんとできるのか不安は大きい。
それでも、このような依頼は、在外研究という経験がなければありえなかったことであることは間違いなく、そうだとすれば、自分はそれを引き受けるべきなのだろうと思う。
元々、在外研究に出る前に、何らかの形で「(アカデミックな)世界の片隅」に地位を占めることができるようになりたい、と思っていた。そのための一つの機会でもある。
最終的な返事は、もう少ししてからするつもりだけれど、心はかなりの程度決まっている。