政治的リアリズム

この間の記事で時々紹介している文献から窺われるところですが、4月下旬からの研究面での最大の「収穫」は、特に2000年代後半以降の「政治的リアリズム」についての議論動向を知ることができたことでした。
きっかけは、以下のブログ記事を見かけたことでした。

http://blogs.lse.ac.uk/politicsandpolicy/archives/32801


 この記事のおかげで、執筆者のMark Philp氏のいくつかの論文のほか、そこで言及されている諸文献、諸論文をある程度集めることができました。
 「政治的リアリズム」あるいは「政治的政治理論」は、政治理論/哲学における正義論、平等論などの政治哲学を道徳哲学の一部門と見なすような潮流に対する対抗として提起されているようです。僕自身、もうすぐ刊行予定のある拙稿(2011年の日本政治学会分科会で報告したペーパーをもとにした論文)に端を発、現在進行中のあるプロジェクトにおける自分の担当章においてさらに展開したいと思っていたのがこのテーマ、つまり、「政治(的なるもの)」を扱う政治理論を政治理論の一つのタイプとして特徴づけること、でしたので、まさに時宜を得たというところです。
 だからといって研究の構想がはかどっているかというと、そうとも言い切れないのですが(苦笑)、新たな示唆を得て、さらに頑張りたいと思っています。