SPT seminar

 昨日は、久しぶりのSPT seminar (Social and Political Theory Seminar)。フィンランドから来ているMaija Setalaという研究者の、制度的信頼についての報告でした。先行研究では、Mark Warren, Bo Rothstein, Eric Uslanerなど、この間、ANUに来られた方々の研究が紹介され(テーマ的には当然なのですが、特にウォーレンの議論を割と念頭に置いたうえで(と言っても、彼の命題そのものを厳密にテストするといったタイプではなかったと思いますが)計量分析をやるというのが、面白かったです。なお、詳細はうろ覚えなので、あまりツッコまないようにw)、「おお〜、皆さん、ここにいらっしゃった方ばかりだな」とか思っていたのでした。
 そのRothstein氏の議論との関係で、市民間の信頼(社会的信頼)と制度への信頼(制度的信頼)との因果関係について、なんとかどうにか質問。ちょっと的を外したか、というか、言っている途中で、聞き方を少し変えるべきだったかと思ったのではありますが、「good question」と言ってくれたので、よかったことにします(笑)。
 ところで会場に、見慣れないが恐らく院生ではないなと思われる方が一名。質問を始めると、ルーマンの『信頼』などにも言及し始め、「ほ〜、この人は誰?」と思っていたら、GoodinかDowdingが、「Patrick」と言ったので、「おお、この人が、Patrick Dunleavyであったか」と思ったのでありました。
 どのくらいの期間、滞在されるのかわかりませんが、もちろんセミナーでの報告もあるようです。下記はドライゼク氏との共著。

Theories of the Democratic State (0)

Theories of the Democratic State (0)

なお、Ssetala氏が言及していたウォーレンの論文は、刊行年的に、多分以下の本に所収のものと思われます。
Democracy and Trust

Democracy and Trust