Mahoney and Thelen 2010

James Mahoney and Kathleen Thelen, "A Theory of Gradual Institutional Change," in Mahoney and Thelen eds Explaning Institutional Change, Cambridge UP, 2010, をとりあえず読了。

Explaining Institutional Change: Ambiguity, Agency, and Power

Explaining Institutional Change: Ambiguity, Agency, and Power

制度を権力を伴う配分道具として理解すること(で、安定性と変化をリンクさせて捉えること)、公式の制度の存在とそれに従うこと(compliance)とを区別して理解すること(で、公式の制度の存在にもかかわらず、それらの解釈と施行における解釈、論争、争いなどの可能性を視野に入れることができる。つまり、制度の多義性を理論化できる)、制度変化の類型をより精緻化すること、変化に関わるアクターを類型化しその登場可能性を理論化すること、などなど。
多分後半の議論がこの本で新しく提起されていることなのだけれど、直近の課題との関係では前半の特にコンプライアンスについての議論のあたりが重要。


参照されていた、Skowronek and Glassman eds, Formative Acts, 2007, という本をメモしておこう。制度ルールの多義性についての話だそう。ANU図書館に所蔵あり、と。

Formative Acts: American Politics in the Making

Formative Acts: American Politics in the Making