コース終了

Dowding and Dryzekの三日間のコース終了。
批判理論のロジックを取り出して、それぞれのバージョン(マルクス主義フェミニズムエコロジーなど)だとどういう風にそのロジックで述べることができるかをジョンが尋ねたところ、認識論と存在論についてのキースの説明(批判的実在論を結構説明。そのほか、実在論反実在論の違いの説明、構成主義実在論にも反実在論にもマッチするとか、実証主義実在論だけど、論理実証主義反実在論とか。)、アーモンドに対するジョンの批判とか、いろいろ興味深かった。英語が多少なりとも上達した後で、もう一度聴いてみたいところ。
そして、最後のパートは、論文の公刊をどうやってやるかという話だったのだけど、キースは、自分の最近の論文の応募・書き直し・リジェクト・アクセプトの状況をかなり詳細に提示してくれた。それによると、提出してから、掲載までだいたい3〜4年かかるんだなあ。たいてい一回はどこかのジャーナルでリジェクトされ、そのあとも、1〜2回は修正を求められる。前のエントリでも書いたけど、だからキースは、いくつかの研究を重ねながら動かしていくことが大事と力説していた。ちなみに、スライドの最後は、


Write, Write, Write!


だった。「(笑)」と書きたいところだけど、そうしないで頑張ろう。


ところで、どうも自分は「解釈(interpretation)」の意味というか、射程をちゃんと理解できていなかったような気がする。あと、「メカニズムを明らかにする一つの手法として、特定のフレームワークに基づいてプロセスを記述する」という言い方は、間違っているのかな。つまり、「メカニズム」の解明と「記述」とは両立しないのか、ということですが。
ちなみに、「批判的実在論」ならば、ある現象Aが(たとえば「記述」によって)確認できれば、その背後に「メカニズム」Bの存在を「推定」(厳密にこの用語だったかどうかは確認していない)できる、という立場をとる(Keithの説明ではこういうことだった)。とすると、この場合は、「記述」と「メカニズム」とが「推定」を通して結びつき得る、と言える(のかな?)。