ナッジとしてのBI&BI Studiesほか

ベーシック・インカムの無条件性は、たとえば参加所得に比して、人々を「有用な活動」に直接関連づけないため、よろしくない(あるいは、「怠け者」を生むだけだ)、という議論があるわけだが、「いや、BIというのは「ナッジ」なのだ」という言い方はどうだろうか。
「ナッジ」というのは、セーラー/サンスティーンの言葉で、特定の選択肢を強制するわけではなくどのような行動を選択するかは自由だが(リバタリアン)、でも、こちらの選択肢の方がよいですよと勧める(パターナリズム)もの、という話なのだが、BIはまさに特定の行動を強制せず、しかし(と、ここがちょっと苦しいのだが)他のアイデアなり制度なりと組み合わせることで、特定の行動の選択を後押しすることができる、と。

Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness

Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness

実践 行動経済学

実践 行動経済学


全然関係ない話だけど、Basic Income Studiesという雑誌のConsultant Editorsの一人に、ANUのPolitical Science Programの長をやっているKeith Dowding氏が名を連ねていることが判明(というか、ネットで見ただけだけど)。

http://www.bepress.com/bis/
それで思い出したけど、Dowding氏は、この本の共編者だった。

The Ethics of Stakeholding

The Ethics of Stakeholding

ちなみに、Goodin氏は、International Advisory Boardに名前を連ねている。まあ、こちらはそうだろうなと。

しかし、実は今はBIじゃなくて、グッディン氏のデモクラシーの方の本を読まねばならないところだったりする。
Reflective Democracy (Oxford Political Theory)

Reflective Democracy (Oxford Political Theory)

ペーパーバック版が激安な感じなのがちょっと(…って、どうでもいい話)。
なんだか、グッディンという人は、文章の中で、ちょっと変わった単語(概念としてということではなくて)を多用する気がする(ので、読みづらい)。