頂きもの

1)著者の水島治郎さんから、『反転する福祉国家――オランダモデルの光と影』(岩波現代文庫、2019年)をお送りいただきました。どうもありがとうございます。元々2012年に同タイトルで出版された本の、岩波現代文庫版です。水島さんといえば、今では『ポピュリズムとは何か』中公新書、が有名ですが、『反転する福祉国家』も大変刺激的な著作です。

反転する福祉国家: オランダモデルの光と影 (岩波現代文庫 学術 398)

反転する福祉国家: オランダモデルの光と影 (岩波現代文庫 学術 398)

2)訳者の山本圭さんと塩田潤さんから、シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』明石書店、2019年、を頂きました。「ポピュリズム」は注目を集める用語になっていますが、ムフが提起する「左派ポピュリズム」はどうでしょうか。
左派ポピュリズムのために

左派ポピュリズムのために

3)編者の一人の松元雅和さんから、松元雅和・井上彰編『人口問題の正義論』世界思想社、2019年、を頂きました。どうもありがとうございます。「そこで、人口問題について正義を論じるとは、あるべき人口規模、あるべき人口政策といった規範的問いに中心的に取り組むということである」(同書、1頁)。正義論の「人口問題」というトピックへの応用のバリエーションを示す意欲的な論文集と言えそうです。
人口問題の正義論

人口問題の正義論

4)寄稿者の一人の高橋良輔さんから、葛谷彩・芝崎厚士編『「国際政治学」は終わったのか――日本からの応答』ナカニシヤ出版、2018年、を頂いておりました。どうもありがとうございます。大変刺激的なタイトルを持つ本です。高橋さんは、最近のご関心の「時政学の射程――国際政治学の時間論的転回に向けて」を執筆されています。
「国際政治学」は終わったのか: 日本からの応答

「国際政治学」は終わったのか: 日本からの応答

お買いもの

最近買ったものの、多分一部。

縮減社会の合意形成-人口減少時代の空間制御と自治-

縮減社会の合意形成-人口減少時代の空間制御と自治-

  • 作者: 金井利之,阿部昌樹,礒崎初仁,内海麻利,北村喜宣,齋藤純一,嶋田暁文,名和田是彦,原島良成,村山武彦
  • 出版社/メーカー: 第一法規
  • 発売日: 2018/12/15
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
資本主義の歴史: 起源・拡大・現在

資本主義の歴史: 起源・拡大・現在

ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門

ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門

↑しかし、有斐閣は本当にコンパクト+スタイリッシュ路線になったなあ。
ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち

ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち

↑今読書中。現在のウェブについての啓蒙書的な内容。

お買いもの

ポピュリズムの理性

ポピュリズムの理性

  • 作者: エルネストラクラウ,Ernesto Laclau,山本圭,澤里岳史,河村一郎
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2018/12/31
  • メディア: 単行本
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フランス現代史 (岩波新書)

フランス現代史 (岩波新書)

ヨーロッパ近代史 (ちくま新書 1377)

ヨーロッパ近代史 (ちくま新書 1377)

頂きもの

1)藤井篤先生から、論文「アルジェリア戦争と赤十字国際委員会(ICRC)――人道主義と政治の相克」『国際政治』第193号、2018年9月、123-139頁、を頂いておりました。どうもありがとうございます。


2)山崎望さんから、論文「二一世紀に自由民主主義体制は生き残れるか――正統性の移行と再配置される暴力」『国際政治』第194号、2018年12月、14-28頁、を頂きました。どうもありがとうございます。

同窓会など

 正月期間中に、出身高校の同級生の同窓会があった。卒業30周年(!)を記念してということで企画されたらしい。はがきを受け取った時には、迷わず「参加」と答えたものの、いざ当日が近づいてくると、「大丈夫かな」という不安が半分くらいになっていた。ほとんどの同級生とは卒業以来まさしく30年間会っていない。バスケットボール部(「班」と呼ばれていたが)のメンバーとは卒業後にも何度か会ったことがあったけれど、最後に会った時でも、もう15年くらいは前である。それに、卒業した高校は中高一貫校で、僕のように高校からの入学組も(当時は)3分の1くらいはいたものの、学校の「カルチャー」は中学からの進学組が担っていた(と、僕は思っている)。そのことを意識した時、少しひるんだのである。また、そうでなくとも、中高6年間一緒ならば「よく知っている」かもしれないが、高校3年間だけだと「あなた誰でしたっけ?」となるのではないか、ということもあった。とにかく、だから少し逡巡し始めたのである。
 その逡巡は、同窓会中も完全にはなくならなかった。これには、バスケットボール部の人たちの参加が少なかったというのもあるけれど、「自然にできる話の輪」の中にいるのは、少し難しい感じがあった。もっと「今何をしているのか?」という話を詳しく聞けばよかったんだろうな、と今では思う(でも、どこまで立ち入って聞いていいかって、悩むじゃないですか)。
 それでも、やっぱり参加してよかったと思った。思っていたよりは覚えてもらえていたし、話してみると「へえ~」と思うことも多かった。みんなそれぞれに立派になっているのである(もちろん、同窓生400名中70名程度の参加だったから、ある種の「バイアス」はあるだろうけれど)。僕には中学から上がった人達はみんな輝いて見えていたし、その印象は間違っていたわけではないけれども、それでも、高校に上がっていろいろ苦労があったのだという話も聞くことができた。「高校から入って最初の1年半は、『ダーク・グレー』な時代だったし、中学からの進学者との違いも色々感じた」と話すと、「外から来るとそういう風に感じるんじゃねえ。でも、最終的にはいい学校だったじゃろ?」と言ってくれた、ある(中学から上がった)同級生の話は、とても印象に残った。「うん、そうだね」と素直に言うことができたので。また、思いがけず、政治学に関心を持ってくれる同級生もいた。さらに、8クラスの担任の先生方の多くも参加してくれて、先生方の「人生」を垣間見ることができるお話を聞くことができたのもよかった。私立の学校だから、一度着任したらずっといるのだと思っていたけれども、実は必ずしもそうでもないのだということもわかった。全体として、やっぱり参加してよかったなと思うことができている。
 別の日には、高校を訪ね、バスケットボール部の顧問の先生にお会いすることができた。先生は、僕が入学したころはまだ着任して1~2年程度だったので、まだ「現役」でお勤めなのだ。とはいえ、お会いするのは恐らく15年ぶりくらい。アポなしでの訪問には、やはり少し逡巡もあった。でも、お会いした瞬間に「おお~、久しぶり」と言ってくださり、とてもうれしかった。教えてもらった者というのは、先生が覚えてくれているだけでうれしいものなのだと、あらためて思った。
 以前には時々書いていたけれど、僕は高校時代のバスケットボール部には、本当に感謝している。それには、中学・高校・大学でバスケットをやった中で、唯一高校だけが「悔い」がほとんど残っていないということも関係している。悔いがないことの理由の一つは、成績だ。僕たちのチームは県でベスト4の一角を占めるくらいだったから、(もちろん上を見ればキリはないけれども)僕からすれば「強豪校」として十分だった。
 ただ、成績ももちろん「誇り」にはなっているけれども、より大切だったのは、チームメイトの存在だった。彼らは、練習を嫌がらず、試合中には味方が驚くようなプレイを決めてくる。試合中には、コートでプレイしながら何度も「おお~っ」と思っていた。彼らのプレイぶりは、今でもよく思い出すことができる。そういうチームメイトたちが、僕自身の意識やパフォーマンスを一段階上へと引き上げてくれたと思う。彼らは、尊敬に値する人たちだったなあ、とあらためて思う。
 50歳も近くなってから高校時代をあれこれ振り返り、かつ「自慢気」に語るのは、ちょっと恥ずかしい。それでも、今回、顧問の先生にお会いして、僕にとってこの高校でバスケットボールをできたことが大切なことだったと、あらためて思った(ので、ブログに書いている)。そのことを先生にもっときちんと言っておけばよかったな、とも思っているけれど(だから、やっぱりブログに書いている)。

頂きもの

1)共訳者の一人、施光恒さんから、ウィル・キムリッカ、稲田恭明・施光恒訳『多文化主義のゆくえ――国際化をめぐる苦闘』法政大学出版局、2018年、を頂きました。どうもありがとうございます。

多文化主義のゆくえ: 国際化をめぐる苦闘(サピエンティア)

多文化主義のゆくえ: 国際化をめぐる苦闘(サピエンティア)

  • 作者: ウィルキムリッカ,Will Kymlicka,稲田恭明,施光恒
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2018/12/10
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
2)監訳者の萩原能久先生をはじめとする皆様から、マイケル・ウォルツァー、萩原能久監訳『アメリカ左派の外交政策』風行社、2018年、を頂きました。どうもありがとうございます。キムリッカとウォルツァー、大物二人の著作の翻訳が出ました。
アメリカ左派の外交政策

アメリカ左派の外交政策

3)野田昌吾先生から、以下の2本のご高論を頂きました。どうもありがとうございます。

 ・野田昌吾「二〇一七年ドイツ連邦議会選挙」『法学雑誌』(大阪市立大学)第64巻第3号、2018年11月。
 ・野田昌吾「(書評)中谷義和・川村仁子・高橋進・松下冽編『ポピュリズムのグローバル化を問う』」『立命館大学人文科学研究所紀要』第116号、2018年7月。

お買いもの

The Politics of the Anthropocene (English Edition)

The Politics of the Anthropocene (English Edition)

ドライゼクと、キャンベラのCentre for Deliberative Democracy & Global GovernanceでポスドクをやっているPickeringによる新著。
世界 2019年 01 月号 [雑誌]

世界 2019年 01 月号 [雑誌]

特集は「世論のつくりかた」。高野聡「熟議民主主義めぐる韓国の実験」に注目。
現代思想 2019年1月号 総特集=現代思想の総展望2019 ―ポスト・ヒューマニティーズ―

現代思想 2019年1月号 総特集=現代思想の総展望2019 ―ポスト・ヒューマニティーズ―

  • 作者: 小泉義之,千葉雅也,仲山ひふみ,Q・メイヤスー,P・ボゴシアン,岸政彦,信田さよ子
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2018/12/26
  • メディア: ムック
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特集は「現代思想の総展望2019」。